2008年(7月~9月)、高橋一生さんが28歳の時の作品で、
刑事ドラマ「ゴンゾウ」のなかのちょっと不器用な若手刑事を演じています。
2017年に大河ドラマ「おんな城主 直虎」やTBSドラマ「カルテット」などで大ブレイクした高橋一生さんは10歳の時からお芝居をしています。
10代、20代の出演作品の演技には、
今の一生さんの活躍を予感させるような光ったお芝居が随所にあります。
若さがはじける演技があるかと思えば、
狂気に満ちた犯人役など、その頃から才能は発揮されていました。
今回は「ゴンゾウ」での高橋一生さんの名演技といえるシーンについてご紹介します。
高橋一生「ゴンゾウ」でハツラツ刑事役がハマってる
刑事ドラマではめずらしい1話完結ではなく1話から10話までの続きものです。
1話で起きた殺人事件が10話でようやく解決します。
事件を解決する捜査員の一人としての出演で若手の新米巡査です。
このドラマに出演してる俳優はお芝居がうまいベテランのバイプレーヤーばかりです。
その中で、まじめで誠実なやる気のある刑事役という役柄を際立たせるお芝居が絶妙です。
昇進したくて手柄を立てようとしますが空回りして落ち込んでしまう、
そんな役を若き一生さんが演じています。
自分をかばって犯人に刺されてしまった先輩刑事が、
その事がきっかけで体調を崩し退職することを知った時、
申し訳なくて引き留めようとするうわずった声が、
後ろ向きでも泣いていることが分かる演技です。
高橋一生 「ゴンゾウ」微に入り細を穿つお芝居
主人公の先輩刑事で備品係の内野聖陽扮する黒木刑事が故障したエアコンを修理し、
直ったとのことで試運転をします。
一生さん演じる日比野刑事がエアコンのスイッチを入れる時の指の動かし方が、
「ちゃんと動くかなぁ、大丈夫かなぁ」という気持ちが伝わるほどに神経が行き届いています。
同僚が銃で撃たれた現場で、
雨の中傘をさして肩を落としうつむき加減で呆然と立ち尽くす後ろ姿で、
「いったい何が起こったのか、何がどうなって撃たれてしまったのか」
言いようのない悔しさが伝わってきます。
先日、一生さんが出演している「スパイの妻」がベネツィア国際映画祭で監督賞を獲得しました。
その映画公開記念の舞台挨拶でその監督が出演者についてコメントをしていました。
一生さんについて「うまい、舌を巻くほどうまい、世界で一番うまいんじゃないかなぁ」
と絶賛されていました。
その、一生さんの「うまさ」は30年間のお芝居の積み重ねと努力のなせる業だと思います。
ドラマのキーパーソンではないので、
目立つ演技はせず物語を盛り上げる役割に徹しています。
人を引き付ける声と端正な顔立ちを武器に、
その存在感は1話から10話までしっかりと印象づけられています。
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